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布池だより 2019年 7月号 巻頭言

 

Toko Toko

Fr. Angel Peralta Jr. SVD

マオリの人々はお年寄りが歩くときに使う杖をトコトコといいます。面白いことに日本語にも“とことこ”という言葉があるのですが、これはよちよち歩きの子どもが一歩一歩ゆっくり歩く様子をあらわします。マオリの言葉も日本語も、Toko Tokoはしっかりした歩みを意味するものなのです。

私たちの信仰は、人生の嵐や困難に耐えながら、一歩一歩しっかりと歩むことを私たちに求めています。しかし多くの場合、信仰の道を歩むときに私たちも、お年寄りのように杖を必要とします。では人生の杖になっているのは誰でしょうか。それは、信仰を共にする共同体の人々―お年寄り、親、兄弟姉妹、聖人と天使、そしてなによりも愛情あふれる神さまです。

人生や信仰における困難や問題に直面したとき、物事を決めたり行動したりするときにはとことこ進むことが必要です。一度に一歩。目の前にある大きな困難や問題に圧倒されないで、自分を、周りの人を、神様を信頼してしっかりと一歩ずつ進みましょう。

マオリ語のトコトコにはもう一つ大切な意味があるのですが、それは共同体の中で最も賢い人をあらわしています。その人には人々を代表して語ることができる権威が与えられています。とことこは歩くための杖だけでなく、語るための杖でもあるのです。マオリの人々がマラエ(共同体のメンバーが集まる場)の中に集まるときには、トコトコを持つ人が人々を代表して話す責任と力を持つのです。

キリストの弟子たちにとって、彼らが神様の言葉を伝え広めることができるのは聖霊の力によるものです。洗礼と堅信のお恵みによって私たちは福音を伝える力と特別な恵みを与えられています。

聖霊降臨をお祝いし、2000年前に聖霊が弟子たちに降ったことを想うとき、あらためて私たちも聖霊のお恵みをいただいていることに感謝して、言葉と行いで福音を告げ知らせようではありませんか。ただし、一度に一歩です。“とことこ”と、私たちの全能の神さまへの信頼をもって進みましょう。